
日本では1年間でかなりの量の食品ロスが発生しています!
皆さんは日本で食品ロスが社会問題になっていることをご存じですか?実は、現在の日本では1年間にかなりの量の食品ロスが発生しています。
食品ロスというのは、売れ残りや食べ残しを理由として廃棄してしまうまだ食べられる食品のことです。
日本に住んでいればスーパーやコンビニなどに当たり前のように食品が並んでいますし、なくなっても補充されていますよね!
ただ、過剰に商品を作りすぎてしまうことで食品ロスが増加しているのも事実なんです。
そんな食品ロスをAIの力を借りて削減しようという取り組みが行われています。そこで今回は、AIを活用した食品ロスの削減について紹介していきます(#^.^#)
日本における食品ロスの現状
日本では現在、多くの食品ロスが問題となっています。まだ十分食べられる食品を捨てるという資源面での懸念や、食品を廃棄した後のコストの増大。
可燃ごみとして処理した場合のCO2排出の問題や埋め立て地の不足の問題などが指摘されています!
また、日本というのは多くの食品を海外からの輸入に頼っているにも関わらず、食品ロスが多いという現状があるのです。
日本では(※1)年間643万トンの食品ロスがあるとされており、早急な削減が必要となっています。
年間643万トンの食品ロスのうち、352万トンが事業系から排出されたもので、291万トンは家庭系から排出されているのです。
食品ロスというと企業からの排出が多いように思うかもしれませんが、実は家庭からの排出量も多いということが分かります!
※1:食品廃棄物等の利用状況等(平成28年度推計)<概念図>
【日本】AIを活用した食品ロス削減の取り組み
天候や人口分布などを分析【需要最適化プラットフォーム】
日本の食品ロスを削減するために、AIを活用したプロジェクトが始動し始めています。それがNECが提供する「需要最適化プラットフォーム」です。
需要最適化プラットフォームは、NECと日本気象協会が共同で研究・開発したものになります。
天気や気温といった気象状況や人口統計・交通量などを分析することで、どれくらい商品が売れるのか需要予測をしたり、その需要に基づいた生産計画を立てることが可能となるシステムです。
食品の売り上げというのは気候によって大きく変動します。
例えば、猛暑が続けばアイスやジュースなど冷たい食品がよく売れますが、冷夏になればあまり売れません。
気候を無視して製造・販売を行ってしまうと売れ残り商品が食品ロスになってしまうのです。
そんな中で、需要最適化プラットフォームを活用すれば需要に合わせて食品を製造・流通させることができるため、今後食品ロスを減らす手立てとして期待されています。
※参考資料:NEC公式HP
加工段階で食品ロスを削減!【異物検査装置】
食品ロスというのは売れ残りが原因である場合もありますが、実は加工段階で発生する食品ロスもあり、そういった加工段階での食品ロスを減らすシステムの開発も行われています。
新潟県の異物検査機の製造を行っているシステムスクエアでは、AIを搭載した異物検査装置を開発しています。
この機械は、魚の加工現場で使用されるもので、魚の小骨を自動で見つけてくれるというものです!
AIを活用することで細かい小骨まで発見することが可能で、出荷前の食品ロスを減らすことができます。
実は小骨が多く密着している場合には、小骨を取り除かずそのまま捨ててしまうケースもあったようです。
こうしたちょっとした食品ロスを減らしていくことで、最終的には大幅な食品ロスの軽減につながると期待されています!

【海外】AIを活用した食品ロス削減の取り組み
食品の消費期限によって価格が変動
海外でも食品ロスの問題が指摘されています。
イスラエルの企業「Wasteless(ウェイストレス)」ではAIが食品の消費期限に応じて価格を変動されるシステムが開発されており、本格的な事業が開始されています。
このシステムでは、消費期限が近いものから購入してもらえるように消費期限によって商品の価格がリアルタイムで変動。
また、消費期限ごとに在庫を管理できるようなシステムも実装されているので、販売する側の負担も最小限となっているのです。
日本のコンビニなどでも消費期限が近い商品の値引きが議論されてはいますが、現状では値段を店員が変更しなければならず、仕事が増えてしまうという懸念もあります。
その点、イスラエル企業のシステムでは効率的に食品ロスを減らすことができるようになっているので、今後さらに事業が拡大する可能性も秘めているといえるでしょう!
徹底した生産管理で食品ロスを減らす
現在、中国ではIT分野が著しく成長しているのは話題になっていますが、食品の生産管理の面でもAIが活用されつつあります。
中国企業アリババでは、養豚場の生産管理にAIを導入して豚を効率的に廃棄することなく生産する仕組みを構築しています。
AIによって豚の体重や食べたもの、品種・病気歴などを1頭1頭把握。ベストなタイミングで出荷することで、飼育段階の死亡率を減少させているのです。
このシステムを応用することで、他の畜産業・養殖業でも食品ロスを減らせるのではないかと期待されています。
食品ロスを減らすために私たちにできること!
対策① 食材を適切に管理する
私たちができる食品ロス対策として、食材を適切に管理することが挙げられます。
食品にはそれぞれ適切な保存方法があり、保存方法を間違えると廃棄につながってしまうことも。
そのため、1回で使い切れない食品は冷凍したり、乾燥などの下処理をして保管することで食品を長持ちさせることが可能です。
日ごろ食品を扱うときには適切な方法で食品を保管することを意識する必要があります。
対策② 食材を上手に使い切る・食べきる
私たちができる食品ロス対策として、食材を上手に使い切る・食べきることが挙げられます。食材を料理していると少し余ってしまうことがありますよね!
そんなときには、簡単に捨ててしまうのではなく、うまく利用することが大事です。
残っている食材を中心に献立を考えたり、残った料理をリメイクする料理を作ったりしてなるべく食材を捨てないようにすることが必要でしょう。
ちなみに、野菜の皮も実は食べられるケースが多いので、積極的に料理に使うと廃棄を減らすことができますよ(*^-^*)
対策③ 必要な分だけ買う
私たちができる食品ロス対策として、必要な分だけ買うということが挙げられます。実際、買う時点で必要な分だけ購入できれば食品ロスは生まれません。
ただ、買い物に行ってしまうと誘惑があるのは事実です。
当初は買う予定のないものも購入してしまうこともあります。そうなると食べきるのが難しくなりますし、余ってしまった食材は廃棄することになってしまうでしょう。
対策としては、事前に買うものを決めて買い物に行く方法やあまり多くの食材は買わずにこまめに買い物に行くといった方法が考えられます。
どれもそれほど難しくないですし、食費を抑える効果もあるのでぜひ、試してみてください(*^^*)
【まとめ】
ここまでで、AIによって食品ロスを減らす取り組みと私たちでもできる対策について紹介しました。
正直、AIを活用した対策というのは私たちというより企業や行政が取り組むべき対策だといえます。
ただ、食品ロスは各家庭からも大量に排出されている現状があるんです。
私たちは食品ロスが増加している現状をしっかりと理解しながら、自分たちができることから食品ロスを減らす対策を行いましょう!

ちなみに、AIの導入でどういう風に世の中が変わっていくのか詳しく知りたい人には以下の本がおすすめです!
8業界36業種に分けて紹介されているので、今後どのように世の中が変わっていくのか知ることができますよ♪